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ホログラムとは?意味・仕組み・種類・紙幣やセキュリティでの活用・3D映像との違いまで簡単に解説

ホログラムとは?意味・仕組み・種類・紙幣やセキュリティでの活用・3D映像との違いまで簡単に解説

ホログラム(hologram)とは、光の干渉と回折を利用して、物体の立体像(3D映像)を記録・再生する技術、またはその記録媒体そのものを指します。紙幣やクレジットカードのセキュリティ(偽造防止)シール、SF映画に登場する空中映像、近年のライブ演出やデジタルサイネージまで、「ホログラム」という言葉はさまざまな場面で使われています。本記事では、ホログラムの意味・仕組み・種類、ホログラフィーとの違い、紙幣やセキュリティでの活用、空中ディスプレイなど“それっぽい映像表現”との違いまで、初めての方にもわかりやすく簡単に解説します。

ホログラムとは?意味・定義をわかりやすく解説

「ホログラム」という言葉は、ギリシャ語の holos(全体)と gramma(記録)に由来し、「すべてを記録したもの」を意味します。通常の写真が光の明るさ(強度)と色だけを記録するのに対し、ホログラムは光の位相——人の目が奥行きを感じ取るための情報——まで記録します。そのため、本物のホログラムは見る角度を変えると像も変化する視差を持ち、記録された物体を“覗き込む”ように立体的に観察できます。これが、平面の3D写真とホログラムの決定的な違いです。なお、SF映画のように「何もない空間に光を投影して像を浮かび上がらせる映像」は、厳密な科学的定義におけるホログラムとは異なります。

ホログラムの仕組み|光の干渉と回折で立体像を記録・再生する

古典的な光学ホログラムは、1本のレーザー光を2つに分けて作ります。一方の光(物体光)を被写体に当てて反射させ、もう一方の光(参照光)はそのまま高解像度の感光材料(乾板・フィルム)に届けます。2つの光が重なる場所には光の干渉による細かい縞模様(干渉縞)が生まれ、これが感光材料に記録されます。記録後、同じような光を当てると、この縞模様が光を回折させて元の光の波面を再現し、空間に立体像が浮かび上がって見えるのです。つまりホログラムは「平面の絵」ではなく「光の波そのもの」を記録・再生している点が本質です。

ホログラムとホログラフィーの違い

「ホログラム」と「ホログラフィー」はよく混同されますが、意味が異なります。ホログラフィー(holography)は、光で立体像を記録・再生する技術・手法そのものを指す言葉です。一方のホログラム(hologram)は、その技術によって作られた記録物(乾板・フィルム・像)を指します。

ホログラムの種類

エンボスホログラム(紙幣・カードでおなじみ)

エンボスホログラムは、光の干渉縞をフィルム表面の微細な凹凸(レリーフ)として記録したホログラムです。仕組みとしては「レインボー(透過型)ホログラム」を原版とし、その凹凸を樹脂フィルムに型押し(エンボス)して複製します。さらに裏面にアルミ反射層を貼ることで、透過光ではなく反射光で観察できるようになり、見る角度によって虹色(レインボー)に色彩が変化し、立体感が得られます。比較的低コストで大量生産でき、輝度が高いため、紙幣・クレジットカード・パスポート・ブランド商品の偽造防止シールとして広く使われています。

近年は、レーザーで実物を撮影する代わりに、3次元CGで作った“実在しない立体物”からフルカラーのエンボスホログラムを作る技術も実用化されています。電子線(EB:Electron Beam)描画などの技術を用いることで、豊かな発色となめらかな動き・奥行きを表現できます。

リップマンホログラム(反射型・高セキュリティ)

リップマンホログラムは、フィルム上の特殊なフォトポリマー層に、物体から反射した光の干渉縞を材料内部の密度変化として記録した反射型ホログラムです。エンボス型が主に左右方向の立体感であるのに対し、リップマン型は上下左右の卓越した立体感を表現でき、その製造には高度な複製技術を要するため、量産できるメーカーは世界でも限られています。ハイセキュリティな偽造防止・ブランドプロテクション用途で使われます。

デジタルホログラム(CGH)

デジタルホログラム(計算機合成ホログラム / CGH:Computer-Generated Hologram)は、干渉縞をコンピュータで計算して作り出すホログラムです。とくに全方向視差(フルパララックス)で高解像度のCGHは、「本当にそこに物体があるかのような」深い奥行きの立体映像を再生でき、次世代のホログラフィックディスプレイの基盤技術として研究が進んでいます。

デジタルホログラム(CGH)の例:全方向視差・高解像度の計算機合成ホログラムが立体的に動く様子

デジタルホログラム(CGH)の例。全方向視差・高解像度の計算機合成ホログラム(FPHD-CGH)。画像引用元:関西大学 WaveField Tools「CGH Gallery」

身近なホログラムの活用例|紙幣・クレジットカード・セキュリティ

日常でもっとも身近なホログラムは、セキュリティ用途のものです。世界各国の紙幣——3Dで回転して見える肖像が採用された最新の日本の紙幣を含む——は、複製が極めて難しいという理由からホログラムを採用しています。クレジットカード、パスポート、ブランド品、ソフトウェアパッケージ、コンサートチケットなどにもホログラムシールが使われ、偽造防止やブランド保護(ソフトウェアやコンテンツ商品では海賊版・模倣品対策、すなわち著作権侵害への対策)として機能しています。干渉縞は通常のプリンターやコピー機では再現できないため、ホログラムは信頼できる「本物の証」として役立っているのです。

「ホログラム」と“それっぽい映像表現”の違い|よくある誤解

「ホログラム」と宣伝されているものの多くは、光学的には本物のホログラムではありません。ライブ会場に浮かび上がるキャラクター、店頭でくるくる回る3DホログラムLEDファン、透明スクリーンへの映像表示、舞台で使われる「ペッパーズゴースト」などは、いずれもホログラムのような印象を与えますが、実際には反射・光学トリック・残像効果を使って2D映像を見せているだけで、干渉縞の記録も本来の視差もありません。

Portalgraphは“ホログラムのような”3D体験を実現する

Portalgraphは、身近なプロジェクター・テレビ・LEDディスプレイ・モニターを「仮想世界をのぞく窓」に変えるVRプロジェクション技術です。本物のホログラムのように光を感光材料へ記録するわけではありませんが、観察者の視点位置に応じて立体映像をリアルタイムに描画することで、「現実空間に3Dオブジェクトが浮かんで見える」というホログラムに近い体験を実現します。ユーザーは大型のヘッドセットではなく軽量な立体視メガネをかけるだけなので周囲の現実が見え、しかも複数人が同時に同じ3D体験を共有できます。

本物の光学ホログラムが「乾板に記録された光」だとすれば、Portalgraphは「いま手元にあるディスプレイ上で、リアルタイムに計算される擬似ホログラムの体験」と捉えることができます。イベント、展示会、博物館、教育現場、ショールームなどに手軽に導入できるのが大きな利点です。

ホログラムのような3D体験を実現するVRプロジェクション技術 Portalgraph

Portalgraph — 身近なディスプレイで“ホログラムのような”3D体験を実現。

まとめ

ホログラムは、光の明るさだけでなく位相まで含めた“全体”を記録し、本物の立体像を再生する技術です。紙幣やカードの日常的なセキュリティから最先端のディスプレイまで、私たちの生活を支えています。一方で、世の中で「ホログラム」と呼ばれるものの多くは、実際には“それっぽい映像表現”であることも多く、厳密な科学的定義のホログラムとは異なります。本記事では、ホログラムの意味や仕組み、種類、ホログラフィーとの違い、紙幣やセキュリティでの活用、そして“それっぽい映像表現”との違いについて解説しました。

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