Portalgraph
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2022/07/18

「映像に飛び込む」体験を低コストで表現

東京藝術大学 先端芸術表現科 八谷和彦教授

「映像に飛び込む」体験を低コストで表現

東京藝術大学の八谷和彦教授が、Portalgraphを用いてより簡単に、安価に、みんなでVR体験を共有できる「HomemadeCAVE」という作品を制作されました。

課題

既存のVRディスプレイシステムには、さまざまな課題がありました。1992年にイリノイ大学が開発したCAVE(Cave Automatic Virtual Environment)は、世界初の本格的な没入型VRディスプレイシステムで、立方体状の専用ルームの壁面3面と床面に高解像度映像を投影し、ユーザーの頭部位置をリアルタイムでトラッキングすることで360度に近い視野での3D体験を提供していました。1997年に東京大学が開発したCABIN(CAVE Automatic Virtual Environment in a CUBE)は、CAVEをさらに発展させ、壁面4面・床面・天井面の計6面すべてに映像を投影することで完全な360度没入体験を実現した世界最先端のVRシステムでした。しかし、これらのシステムは複数の高性能プロジェクター、専用の立方体構造物、高精度トラッキング装置、大型コンピューターシステムなどで構成される大規模な設備で、建設に数億円の費用がかかり、専用施設内に固定設置される巨大な装置のため移動や展示場所の変更は不可能でした。また、機材の維持費や専門技術者による運用コストも膨大で、東京大学のCABINも2012年には維持困難となり撤去されてしまいました。

ソリューション

Portalgraphを用いてより簡単に、安価に、みんなでVR体験を共有できる「HomemadeCAVE」を制作。オークションサイトで入手した市販の3Dテレビ(パナソニックTH-60CX800、およびTH-49CX800を4-6万円程度で調達)、3Dメガネ、VIVEトラッカーを使用したコストパフォーマンスの高いCAVEシステムを構築。VRヘッドセットなしで、初音ミクやPostPetなどのキャラクター、ユニティちゃんのライブパフォーマンスなど没入感のある3Dコンテンツを体験可能に。UnityにPortalgraphアセットを組み込むだけで、手軽にさまざまなコンテンツを投影できるソリューションとなりました。

成果

2021年11月20〜21日、東京藝術大学取手校地の八谷研究室にて「取手藝祭2021」に合わせた技術デモを開催。3Dテレビ3台とPortalgraph、VIVEトラッカーを組み合わせた「自家製CAVE」を、1セッション5名までの予約制で一般公開しました(開催案内体験会レポート)。VRゴーグルを装着せず、軽量な3Dメガネとトラッカー付き帽子だけで4〜5名が同時に立体映像を共有できる点が好評で、ユニティちゃんのライブステージなどPortalgraphのデモコンテンツも高い評価を得ました。来場者アンケートでも3D酔いはほとんど報告されず、気軽な多人数参加型XRとしての可能性が確認されました。その後、東京藝術大学美術館の「長谷川祐子退任記念展 『新しいエコロジーとアート』」での展示(2022年5月28日〜2022年6月26日)や「GINZA SIX」での展示(2022年7月11日〜2022年7月18日)が実施され、従来の高価なVRシステムに匹敵する没入感のある3D体験を手頃な市販用機器を使用して来場者に提供することができました。(展示内容はこちら。GINZA SIXではワークショップも開催されました。)Unity Japan様には公式記事で取り上げていただき、Unity Japanのコミュニティ・アドボケイトの田村幸一様には、「想像以上に没入感がありました……!ヘッドマウントディスプレイなどが提供しているVR体験を、とても気軽に味わえました。」と評価していただきました。

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